精子がいないけど子供が欲しい

~非閉塞性無精子症と戦う夫婦の記録~

■17. 受精結果

採卵日翌日。
何個受精できたのか、確認の電話をした。
 
5個あった卵子の内、1個は未成熟卵。
4個の成熟卵を顕微受精にかけた結果、4個共受精したとのこと。
 
移植の為、2日後にクリニックに来るように言われた。
 
前にも述べたが、移植は新鮮胚移植と、凍結胚移植の2種類がある。
新鮮胚移植は、凍結せずに分割した受精卵を子宮に戻す。
凍結胚移植は、一旦受精卵を凍結させて、子宮を休ませてから受精卵を戻す。
病院からもらった冊子では、凍結胚移植の方が妊娠率が高いとの統計が出ていた。
 
この前聞けなかったけど、すぐに移植という事は、私は新鮮胚移植をする事に決まったのだろうか。
 
2日後、ARTクリニックへ向かう。
先生より、4つの受精卵が順調に分割しており、現在7分割と8分割がある事が告げられた。
先生の手元には、分割した受精卵の写真が置いてあった。
写真を見て、本当に受精できたんだという実感が湧いてきた。
そして、その小さな丸い卵がとても愛おしく思えた。
 
先生が、新鮮胚移植を行うかどうかを聞いてきた。
 
「凍結胚移植の方が妊娠率が高いんですよね?」
 
と聞き返すと、その通りあるとの回答だった。
 
凍結胚移植の場合は、受精卵を胚盤胞まで育てると教えてくれた。
胚盤胞になるまでに、1個か2個はドロップする可能性がある事と、
そもそも培養で胚盤胞まで育たなかった受精卵は妊娠しない可能性が高いと教えてもらい、全部凍結する事を決意した。
 
「じゃあ、ここは我慢して待ちましょう」
と、先生は言い
 
「はい!我慢します!」
と答えた。
 
先生は、とても優しく、疑問点はきちんと答えてくれる。
そして力強く励ましてくれるので、頑張ろうと強く思えた。
 
 

→■18. 胚盤胞への到達

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