精子がいないけど子供が欲しい

~非閉塞性無精子症と戦う夫婦の記録~

■12. TESE手術と手術結果

2018年7月
 
ついに手術の日を迎えた。
私は仕事があった為、旦那一人で病院に向かった。
 
手術は、MD-TESEと呼ばれるもので
睾丸を開き、精細管という組織を取り出すという内容。
 
お昼に旦那からLINEが届いた。
 
「手術おわった」
 
それから、手術時の様子が続けて送られてきた。
 
精子はいたのかの報告は送られて来ない。
精子がいるか顕微鏡で確認しながら手術すると言っていたので、すぐにわかるはずである。
 
精子はいた?」
その一言は打つ事が出来ないでいた。
 
しばらく手術の話が続いた後に、それはなんの前置きもなく送られてきた。
 
 
 
「ちなみに精子はいました」
 
 
 
突如画面に表示されたその一文を見た瞬間に涙が溢れてきた。
きっと見つからないと諦めていた。
この数ヶ月、ずっと抑えていた感情が解放された気持ちだった。
 
まだ諦めなくていいんだ。
良かった…。
本当に良かった。
 
精子が分かってから、一度も涙は出なかったのに、自然に涙が溢れた。
でも、まだスタート地点に立てただけ。
本当にここから。
休憩室の隅っこで一人涙を拭いた。
 
 

→■13. 手術の様子と親への報告

【無精子症闘いの記録 目次】